分野紹介

ご挨拶

 生存圏研究所では光や電磁波を使っていろんな研究をしています。光といっても波長が違えば全く見える対象も用途も違ってきます。大気観測のグループでは信楽やインドネシアに大きなアンテナをもっていて、電波を飛ばして雲の動きとか、いろんな物理現象を計測します。
バイオマス形態情報では赤外線、可視光や紫外線さらにはエックス線や電子線といった波長の短い光を使います。観察する対象は微細で、細胞レベルから分子レベルまで幅広い領域をカバーします。

バイオマス形態情報のバイオマスは、とても広い意味で「生物由来の有機物」と読んでください。また「形態」は「形態ならびに形態形成」です。「情報」は少し欲張っていて、「知識の集積と多様性の調査」です。
ですから、生き物(特に樹木の細胞)のどんな構造が、どのように作られて、どのように機能するのか?その知識を深化させます。そんな知識をまとめていけば、新しい素材のデザインや構築に役立つ情報となるでしょう。
例えばセルロースがどうやって合成されるのかが分かれば、新しい繊維を生むヒントが得られる!?

 一方、植物の花が識別できるように、木材も肉眼、顕微鏡レベルで種を識別することができます。樹種識別という学問分野は、日本人と木の関わりを調べる歴史学や、遺跡出土の木製品から古環境を復元する考古学など、文科系と理科系が融合するような新しい研究領域へと発展してきました。いろいろな木材の組織構造とその多様性の蓄積、解析、データベース化も重要な課題のひとつです。

 「百聞は一見にしかず」とは真なりです。ただし我々の研究分野では「単に見えたからといって・・」が常識です。見えたことを、あるいは見たいものを確実にするために免疫学、組織化学、分子生物学、物理化学、高分子化学、結晶学等のいろいろな手法に取り組んでいます。

バイオマス形態情報分野 教授 杉山 淳司

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